STYに出られることが決まった去年の年末から約半年間に渡って準備をしてきた。
約半年、STYに向けてのトレーニング開始
2017年11〜12月はペースは気にせず楽なペースがメイン。高強度トレーニングもそこまでいれず、練習する習慣を取り戻すため丁寧にフォームを気にしながら基礎を作る。
1、2月は平日ジョグの距離を少しずつ伸ばしながら、インターバルや坂ダッシュなど高強度トレーニングを開始。土日は峠走や8時間トレイルなどで長時間動ける身体づくりをしていく。この期間はとにかく怪我に気をつけた。寒いなかインターバルなどの高強度トレーニングは怪我のリスクが高まるからだ。
特に食事。マラソンに向けた減量などはせず、練習したらその分しっかり食べて体重の変動がないようにした。ここで無理して絞ると回復に時間がかかり、質の高い練習が出来なくなり、無理して練習を行うと怪我してしまう。食事に加えてこれらのサプリも日常的に摂取。
・ホエイプロテイン
・BCAA
・L-グルタミン
・コエンザイムQ10
・MAGMA
MAGMAはレース中にも摂取し、欠かせない存在。
ポイント練習のあとにはZEN AFTER ACTIVITY(ダルマ)。摂取しない時に比べてダメージの回復が早い。
また回復状況を見ながら練習スケジュールも柔軟に変更。予定したトレーニングに従うよりも当日の体調を見てトレーニング内容の変更した。
3月はマラソンがあったので前5日は調整に。マラソンレポートはこちら。
マラソン後も普通にトレーニング予定だったが痛みが出てしまい1週間休養。結果的にここでしっかり休んだことで3末から4月にかけてポイントとなる練習をしっかりこなせた。
最後の大きなトレーニングとしては下記の3つ。
3月4週目
Sat:箱根トレイル 58km 2000D+
Sun:マフェトンJOG 35km
4月1週目
Sat:BIGMOUTH100(ロード) 100km 2000D+
4月2週目
FrI :生田緑地 30km 1150D+
sun:丹沢トレイル 50km 3600D+
BIGMOUTH100で自身最長となる100kmを最後までほぼ歩くことなく走り通し、距離に対する不安はほぼなくなった。最後の丹沢ではSTYで最も大きな登りである天子を意識して大きな山を登り累積を稼いだ。累積は50kmで3600m超え。
この丹沢練が予想以上にハードで翌週はほぼリカバリーに。そこから残り2週間は土日も大して走ることなく練習量を落としていった。この期間は引っ越しなども重なり計画より練習量が少なくなり1週間で30kmほど。
レース直前の2週間はある程度計画してたとはいえ、全然走ってないので自分でも調子が良いのか悪いのかはっきりとは分からずレース当日を迎えることに。ピーキングは好きな作業でわりと得意な方だと思うが今回はそこまで自信はなかった。
ただこの時期はレース前に調子が良くても、ピークを早くもってきすぎたか?と不安になるし、疲労が抜けてなくても焦って不安になるので、そんな気にせず過ごすのが良いと思う。
レース当日のウェアと補給食
ウェアに関してはいつも着ているものをチョイス。ザックの容量は5Lで必携品を全部入れるとさすがにパンパン。
これらの必携品を入れるといつもと同じザックでも重さやフィット感が変わるのでこれと同じものを全てザック入れて事前に練習で試しておいた。一つ一つのギアを試すのはもちろん、全てレース仕様にして試しておくのも大事。
メインのライトはレッドレンザーMH10。
600ルーメンで10時間のも持つ。かなり明るく広範囲を照らしてくれるし、値段もお手頃でかなりオススメ。
補給食は基本ジェル。30分〜40分に1個摂取予定。固形物はジェルが摂れなくなってしまった時用にサポートに渡たしておく。
また当日は嫁にサポートに入ってもらった。STYでサポートが入れるエイドはA2の50kmとA4の72kmの二つ。それぞれでお願いしていたことは以下。
・今の順位や前とのタイム差の共有
・ドリンクを作っておいてもらう
・補給食や防寒具などを渡してもらう
ここにあるモルテンは最新のハイドロ技術によって炭水化物濃度を上げ、エネルギー効率を上げてくれるドリンク。あのモハメッドファラーやキプサングなど世界的アスリートも多く活用している。
吸収が凄く良いので、すぐエネルギーに変えてくれ胃に溜まらないのでダメージも少ない。ジェルなどの吸収が落ちてくるレース後半にぴったりだった。
ハイペースとなった序盤
先頭3列目に位置づけレースのスタートを待つ。いいところからスタートできたおかげで渋滞は全くなし。
序盤は抑えて入るつもりが全体的にかなりのハイペースで初めの1kmは微妙に登りだが4’20。平地でもしばらくこのペースが続き、緩やかな下りでは3分台に突入。心拍も目安としていた160をオーバーしており、自分にとっては明らかにハイペース。
ただ、順位としては決して前ではなく30位程度。前半は無理せず後半あげてく戦略だったがここであまりに順位を落とすと追い上げも難しくなるので、多少きついがこの位置をキープしながら15kmまで全てのラップでキロ5を切って走り続ける。次のエイドまで5kmと短いので1つ目のWSはスルー。
スタートしたばかりで空腹感はないがハイペースにより糖質を消費してる感じがあったので序盤からしっかり30分〜40分に一度ジェルの補給は忘れずに行う。予定よりだいぶ早いが落ち着いて走れている。
この時女子トップで国内NO.1スカイランナーの吉住さんの後ろを走っていたが登りに入りはじめたところでこのまま付いていくと後半潰れる感覚があったので、離れて自分のペースで進む。
22km地点の第1エイドでは26位。ここは天子前のエイドで次のエイドまでは約4時間あるので水の補給は満タンにして約1分で出る。
暑さとハイペースで汗の量がいつもより多かったので補給は小まめに。ただ4時間ものエイド間を1Lの水分で凌がなければならないので決してがぶ飲みすることなく、ジェル補給の直後に水を飲み、それ以外では口を湿らす程度で水を節約しながら進む。
STY一番の登り区間、天子の登山道に入ってからは積極的に歩く。ここはコースのきつさよりも水を少量で乗り切らなければいけないことの方が辛かった。コース的には天子が終わり、細かなアップダウンを繰り返した後の丸々山の方がキツかった。トレイル区間が終わった下りのロードは決して飛ばさず丁寧に走り、平坦のロードではいつものマフェペースで淡々と走る。
この辺りから前にいた人たちが少しづつ落ちてきて、この区間で5人ほど抜かす。やはり前半はみんな速すぎた、「この調子でいけばもっと後半拾っていける」と気持ちを高めて嫁のサポートが待つ50km地点のA2エイドへ。
エイドワークを活かし順位を上げながら勝負の後半戦へ
ここでは準備してもらっていたモルテンドリンクに詰め替えを行う。一応固形の補給食を持ってもらっていたが順調にジェルを摂れていたし、胃の気持ち悪さもなかったので、固形は一切摂らずジェルをもらってすぐスタート。ここも滞在は1分ほどでエイドでも1人抜かす。
嫁からは「あんなにすぐ出て行ったの諒だけだったよw」とのこと。
基本的にはこれくらいの距離ではトラブルがない限りエイドでの滞在は無駄だと思ってるのでやることやってすぐに出ると決めている。
まだ足は残っており、痛みもない。前後に人もいなくなり、自分のペースでとにかく淡々と走る時間が続く。ここはかなり集中して走れていたのかあまり覚えてない。リザルト見るとここでも2人抜かしている。
60km地点のA3本栖湖エイドも水の補給だけで滞在は1分くらいで速攻出る。もう完全に陽が落ちた。勝負は陽が落ちたらと決めていたのでここからギアを上げてく。
登りも走れるところは走り、歩くところもパワーウォークでしっかり押していく。登りの区間で3人ほど抜く。順位は把握してないがA2の地点で20位ほどでそこから5人くらいは抜いてるから15位ほど?この辺りから全体順位と年代別入賞がちらつき始める。
下りに入ってからも2人交わす。抜かす時はもうあいつには追いつけないと思わすために、多少無理してでも、すぐに視界から消えるように足を早める。
もし自分の計算が正しければ総合13位?トップ10まであと3つ。少なくとも11位に入れば年代別は獲れる。気持ちが最高に高まり、嫁と岩クラメンバーが待つ最後のエイドに向かう。ここで順位を聞くと15位、年代別では5位。思った順位とは違ったが少しでも前を追うためここも立ち止まることなくすぐに出る。
ここまで全く異常なくきていたのに、足に異変が。いきなり左のちょうけいが痛くなり、走ることができない。さっきのエイドで交わした人にも抜かれ、年代別も5位であれば、この状態だと入賞はキツイかな。と弱気な自分が現れ始める。そんな状態で風穴のロードを歩いて、走ってを繰り返していると、前から見覚えのある車が。
岩クラのコーチ磯さんだ。車から「このメンツの中すごいぞ!こっからいける!前歩いてるぞ!」と檄をかけてもらう。
この檄によって弱気な自分を引っ込めることが出来、足は相変わらず痛いがとにかく我慢して走り続けていると、トレイルに入る前でさっき抜かれた人に追いつき、抜き返す。
もう足も痛いし、身体も限界に近いけどここまでやってきて悔いは残したくない。「ここまできて出し切らないのは勿体無い」と自分に言い聞かせ、なんとか足を前に進める。もう前の存在は全く感じられないが、この時はもう順位どうこうというより、自分との勝負。少しでも早くゴールにたどり着くために走っていた。
最後の下りではちょうけいに激痛が走るがもうこの痛みを感じれるのもわずか。そう思えるとなんとか走ることが出来た。河口湖とその周りの光がどんどん近づいてきて、90km以上走ってここにまできた、街に戻ってきたことを実感した。
最後はサポートをしてくれていた嫁と初めてのゴール。
嫁にはレース前のコンディションに付き合わせたり、急な買い出しをお願いしたり、当日の運転、エイドサポートまでしてもらい感謝してもしきれない。そしてこのレースを楽しんでくれて、自分のことのように喜んでくれた事が本当に嬉しく、ありがたかった。
結果は、、
想像以上でニューヒーロー賞という最高のおまけ付き。
自分の今持ってるものをすべて出すことができ、このレースに関しては文句なしでいいだろう。(唯一の後悔は念願だった表彰式に出れなかったことw)
ただ、同時に課題も見えてきて、早速いくつか試してみたい練習もあるので、次のレースに向けて始動するのが今から楽しみ。