初の海外レース!韓国High1Skyrunningレースレポート

ITRAポイントを求めて、韓国へ

いつの日か出たい、UTMB。
フランス・シャモニーで行われるレースゆえ、旅好きの嫁は、「自分も走りたい!」と言う。

ただ、UTMBシリーズ(TDS,CCC)に出るためには、いくつかのレースに出てITRAポイントなるものを獲得しなければならない。そこで、ITRAポイントを求め、嫁の初トレイルレース探しが始まった。

 

今回のレース探しのポイントは3つ。

1, ITRAポイントがあること

全てのトレランレースにITRAポイントが付いているわけではなく、主催者がポイント申請をしなければならない。

2, 50km以下であること

マラソンは走ったことがあるものの、初めてのトレランレース。50kmでも10時間くらいかかるので、いきなり50km以上のレースだと完走出来るか分からないし、楽しさより辛さが勝ってしまいそう。

3, ワクワクできる場所であること←これが1番大事

旅好きな嫁は、長時間トレイルを走るためだけにレースに出るだけでは勿体ないと感じてしまう。どうせ行くならレース前も後も楽しめる場所がいい。

 

この条件を満たすレースを探すレースを探すため使ったサイトがこれ。

https://itra.run/

ITRAポイントがあるレースを検索することが出来る。

そこで見つけたのが、今回出場した「High1Skyrunning」だ。

海外レースをみていると、英語の情報がなく、どうエントリーしていいか分からない大会もたくさん見受けられる。(特にアジア地区の大会に多い印象。)しかし、この大会webサイトは英語での情報も分かりやすく、エントリーや大会会場までの行き方等もしっかりと情報が載っている。レース写真もFBページにたくさん載っていて楽しそうな印象を受けた。

距離は42km,累積1900D+、制限時間9時間。
初トレイルにはちょっと厳しいかもしれないが、絶対に無理というレベルではない。

韓国なら遠くなく、時差もない。韓国は2人とも初めてだし、美味しいご飯もありテンションが上がる。

ということで上記3つのポイントを全てクリアし、嫁の初レースは「high1skyrunning」に決定した。

 

エントリーの手順

 

webサイトからエントリーに進むと、通常のエントリーとは別に、外国人専用のエントリーフォームがある。Googleフォームで出来ていて、名前や住所などの基本情報を記入。

それに加えて、大会会場までのシャトルバスの利用有無と、大会会場横のホテルの宿泊有無を回答する。今回は、どちらも有りにした。なぜなら、それら全て(往復バス・宿泊費・エントリー費)を合わせても、1人$158。安い、安すぎる!!

フォームに入力して送信が完了すると、PayPalの決済用リンクが送られてくる。
カードで決済を済ませ、エントリーも支払いもすんなり完了した。

ちなみに、金額の内訳は下記の通り。
・High1 Skyrunning – Sky Marathon 42km:$100.00 USD
・1 person accomodation ticket:$25.00 USD
・Shuttle bus:$33.00 USD

レースの1週間前に前日からのスケジュールやバスの集合場所などの必要情報が送られてきた。

ここまで特に不安やストレスを感じることも無く非常にスムーズ。

僕らは金曜の夜に成田空港を出発し、仁川空港に到着。土曜日発でも十分エントリーには間に合うが、ソウルフードを楽しむために今回は前乗りして韓国入り。

今回は成田空港で≪韓国WiFi≫ を借りたのでネット環境に関しては全く問題なし。 実は韓国滞在中に信越五岳110kmのレースエントリーがあり、クリック合戦になるほどすぐ埋まってしまうのだが、この韓国wifiのおかげで無事にエントリーも完了。

大会会場へのアクセスは事前に予約したシャトルバスで向かう。バスは30席ほどあり、ほぼ満席。バスで約3時間でエントリー会場に到着。エントリー会場とスタート地点は同じで、宿も同じリゾート施設内にあるので、全て徒歩で移動できるため非常に安心。

前日に装備チェックを受けてエントリ完了!当日でもエントリーは可能だが、バスを使わずにここまで来るのは現実的では無いため前日エントリーが吉。

 

レース当日

 

レース当日はスタート時間の8時で気温は13度。標高が900m弱あるので少し冷えるものの、半袖短パンで少し肌寒いくらいで走るにはちょうどいい温度。

レースは距離42km,累積は1900D+、エイドは全部で7つ。折り返しが全部で3つあるためエイドの数は多いが同じエイドがうち3つ。コースはのほとんどが林道で約2割が岩場、ロードは1割無いくらい。

まずスタートからトレイルまでは500mほどでそこから林道を約150m上がる。

この時点で7位。スタートから上位陣はかなりのスピードでトレイルに入って行く。トレイルはギリギリ走れるくらいの登りで早くも心拍が170を超える。

初めのエイドが3.8km地点にあるがここはスルー。エイドを抜けると本格的に山に入り、1400mにあるレース最高地点に向けて350mほど一気に上がる。ここで後続2人に追いつかれ3人の集団に。

STYの疲労なのか、どうも走りがハマってない感じがあり、キツさも感じネガティヴになりつつあったが、「まだ序盤なので焦らない」と切り替えてマイペースに登る。ショートだろうがロングだろうが、やはり走れない登りが弱く、改めてパワー不足を感じる。

最高地点まで登るとそこから一気に600m下る。つづら折りの林道をひたすら下り、途中からは岩場の下り。固定されているであろう大きめな岩にしっかり足を置き下っていく。ここでも後続の2人がピッタリ後ろをマークしてるが気にしない。

下っている途中で、登り返してくる1位の星野さんとすれ違う。
恐らくこの時点でも10分差くらい。恐るべしトップスカイランナー。

下りきって3つ目のエイドを折り返し、下ってきたばかりのトレイルを再び登り返す。ここで後続のランナーとすれ違うのだが、なかなかの道の狭さ。それにも関わらず、勢いよく下って来たり、ポールを横に振りながら走る人が多数いて、そのポールが何度かスネにぶつかる。

こんな状況のため、なかなか自分のリズムで登れない。「まぁ、海外レースだからこんなこともある」と言い聞かせ、無理して走らず進む。ここが、このレース一番の登りだったのだが思いの外すんなりクリア。

登り返しが終わると林道を下る。ようやくリズムが出てきた。ここで後続2人の足音が聞こえなくなり、前のランナーも見えず1人淡々と進む。意外とこの瞬間が好きだったりする。

下り終わった後は、お決まりの登り返し。来た道をまた淡々と走って登っていく。

その後、気持ちの良いトレイルを登って下ってを繰り返し、「ここは日本か」と思うような、日本の里山にありそうな砂利道混じりの林道を4kmくらい下る。ここの下りが結構足にきた。徐々に前腿にダメージが蓄積されてく。

そしてお決まり、このレース3回目の登り返し。下る時にイメージしていたのでメンタル的にはノーダメージ。この時点で5位で残りは10km。後続は恐らく5分後くらい。登り返しのパートで勝負を決めようと微妙な斜度の林道をとにかく走る。ここで一度歩くとずっと歩いてしまいそうなため、無心で走り続ける。この登りが個人的に一番のハイライト。

 

登り終えると、また岩場混じりのトレイルコースになり、小刻みの登り登り下りを繰り返しゴール。

結果は4時間14分。去年の総合3位の選手と同じタイムだったようだが、今年は去年より涼しく、コンディションは良かったらしい。

TOP3は全員4時間切り。総合入賞はしたものの上位陣の壁の高さ、スピード不足を痛感。とは言うものの、調整もほとんどせず、リラックスして出たレース、しかも初海外で総合入賞は御の字の結果。

レース後には、無料でシャワー、ビール、おにぎりのサービスあり。ゴール後の芝生でゴロンと寝転びながら飲むビールは最高。

フィニッシャーTシャツも、タオルもイケている。

レース情報やアクセス情報も英語でしっかり情報出してくれているし、時間はかかるけれどバス1本で会場まで行ってくれて安心。ゴール後も充実のサービス。またスタッフや選手が日本語で話しかけてくれるし、初めての海外レースにはオススメの大会でした。