ここでしか味わえないものを──地獄蒸しイタリアン『Otto e Sette Oita(オット・エ・セッテ 大分)』(別府/イタリアン)

普段はグルテンを控えたいとの理由で、イタリアンやフレンチを避けがちな私たちだけれど、この日ばかりは楽しみで仕方がない。

今回、別府での滞在場所を鉄輪温泉に決めたのも、ここ、「Otto e Sette Oita(オット・エ・セッテ 大分)」に来てみたかったから。

地獄蒸しを味わえる場所は鉄輪温泉にたくさんあるけれど、イタリアンはここだけ。それに、シェフを務める梯哲哉さんは、由布院の名宿「山荘無量塔」などで料理長を務めてこられた実力派だそう。

 

 

モクモク、ワクワク。

お店の入口には、地獄蒸し用の釜がずらり。モクモクと湯気が立ち込めていて、この湯気を使ってどんな料理が出てくるのだろうと、またワクワクさせてくれる。

この「地獄釜」は、江戸時代中期より伝えられ、この釜を使った「地獄蒸し」が体験できる宿やお店が街中に点在している。温泉湯出量の豊富な別府・鉄輪ならではの郷土料理だ。

 

 

郷土料理「地獄蒸し」を現代に伝えるイタリアン

ランチコースのはじまりは、「美人鰤と水菜のカルパッチョ」。蒸した水菜を、脂の乗った鰤で包み込んだ、美しい一皿。

そのままの水菜も添えられており、蒸し水菜との食感のコントラストが楽しめ、高糖度の潮トマト一緒に頂くことで、鰤がより一層引き立つ。

 

 

本日の温泉パスタから、「ネギのカルボナーラ」。

カルボナーラといえばの「卵」は使用せず、ネギの青い部分を蒸してペーストにしたソースは濃厚。それでいて、ネギの青臭さは全くない。パスタは温泉水で茹であげているそう。

 

メインディッシュの、「天然鯛と新緑」。

塩麹で漬け込んだ鯛を、ふわふわしっとりの地獄蒸しに。新緑のソースは、春菊がベース。鯛の上には温泉卵の黄味があしらわれ、道端に咲いていた菜の花を思い出す。見た目も、口の中も、なんとも春らしい。

 

 

最後のデザートには、鉄輪温泉名物の「地獄プリン」を。烏骨鶏の卵でつくられたプリンは、なんとも贅沢。このプリンを味わずには帰れない。

スプーンを入れただけでわかる濃厚感。口の中に運ぶと、卵の香りが口いっぱいに広がる。上の表面はさっぱりした味わいなのに対し、下に食べ進めるほどに濃厚さが増していく。
上から下まで思い切ってスプーンを大胆に差し込んで、口の中で全部を融合させるのが、たまらなく美味しい。

 

 

余すところなく地元を味わう

▲選べるパスタ、「クレソンとムール貝のトマトソース」。

▲メインディッシュから、「吾一黒豚」。

 

使用する食材のほとんどが大分県産。地元を味わっているという”特別感”が、またご飯をより一層美味しくする。

 

地産地消へのこだわりは食材だけではない。

器も大分の小鹿田焼き(おんたやき)が使用されている。

 

HPには、『レストランに居ながら大分県を旅していただきます。』と書いてあった。

味覚でも視覚でも、存分に大分を楽しめるレストランだ。

 

 

【LUNCH COURSE(2018/3/17)】

本日の前菜
本日の温泉パスタ
・ネギのカルボナーラ
・クレソンとムール貝のトマトソース
口直しのシャーベット
メインディッシュ
・天然鯛と新緑
・吾一黒豚
・山下牧場の和牛(+1,200)
デザート
・愛情いちごとリコッタ
・烏骨鶏の地獄プリン
カフェ
・Espress
・コーヒー
・紅茶
自家製パン2個(追加は有料)
・米粉のパン
・ポンデケージョ
2,700-

【DATA】
Otto e Sette Oita(オット エ セッテ 大分)
住所:大分県別府市鉄輪井田2組
電話番号:0977-66-4411
営業時間:Lunch Time 11:30am – 14:00(Last Order)/ ​Dinner Time 18:00 – 21:00(Last Order)
定休日:火曜日
https://www.ottoesetteoita.com/