思いも寄らないイタリアンが待っている。国領『ドン ブラボー』

大きな台風が過ぎ去った、雨上がりの連休最終日。
京王線沿いの、国領という駅にやってきた。

今日向かうは、「ドン ブラボー」というレストラン。
お店の名前を聞いただけで、ワクワクでする。

18:00の予約に、一番乗りで入店。

正面には大きなピザ釜があり

お店の真ん中には、ドリンクサーブのカウンター。
綺麗に並んだワイングラスが、出番を待っている。

このカウンターを見て、ドリンクはペアリングにしようと決めた。

お店には7000円と10000円のコースの用意があり、迷わず10000円のコースをオーダー。
どちらも品数は変わらないとのこと。

本日のコースのメニュー。

はじめにテーブルにやってきたのは、ブルゴーニュ地方の赤ワイン、モルゴン。
このあと出てくる、「出汁」の準備運動の一杯だそう。

甘い香りが口いっぱいに広がり、酸味が最後に残りながらも、柔らかい赤ワイン。

 

No1.「出汁」

イタリアの鶏と、日本の昆布と鰹の一番出汁を合わせたスープが口いっぱいに広がる。
胃を柔らかく温めて、準備は万端。

 

No2.「しめ鯖」

新鮮な鯖の上にのっているのは、カリフラワーの酢漬け。
鯖に臭みは全くなく、カリフラワーの食感がとてもいい。

しめ鯖と、この次の生ハムに合わせるのは、「フランチャコルタ」。イタリアのスタークリングワインで、フランスのシャンパーニュと並ぶ品質だそう。

「繊細さと、きれいな泡を楽しんでほしい。」そう言われて運ばれてきた。

しめ鯖の余韻とフランチャコルタを楽しんでいると、次の生ハムがやってくる。

 

No3.「生ハム」

生ハムの下に、ぷっくり膨らんでいるのは、イタリアの郷土料理「ニョッコフリット」。

しっとりでもなく、パリっとでもない、ちょうど中間の食感の揚げパンが、生ハムによく合う。
うす〜くきれいにスライスされた軽い生ハムは、パタヤビーチで食べた最高のハムを思い出させてくれる。

 

No4.「牡蠣」

きれいな緑色のおかひじきの下には、大きな牡蠣のソテーが隠れている。

ふっくらとしてクリーミーな牡蠣に合わせているのは、イタリアの赤ワインビネガーを使ったクリームソース。
ハマグリからとったという出汁と、百合根の食感と苦味が、面白いくらいによく合う。

そして、この一品を引き立ててくれるのが、オレンジワイン。

トスカーナ地方のジリオ島で潮風をたっぷり浴びたぶどうから、種や皮まで一緒に作られたワインが、海のミルクである牡蠣を本当によく引き立てくれている。

このペアリングが、個人的にはこの日一番好きな組み合わせ。

 

No5.「トリッパ/リッポリータ」

ハチノスの煮込み「トリッパ」と、トスカーナ地方伝統料理の「リッポリータ」の煮込んでから2日目のものを混ぜ合わせ、サックサクのビスケットの上に。

甘めのトマトソースとチーズの塩気は、もちろんマッチ!
いろいろな食感が次々と口の中にやってきて面白い。

ここに合わせるのは、なんとハイボール。

大分県のワイナリーがつくる『安心院ブランデー 台与(とよ)』は、白ワイン醸造の際、圧搾された果皮や種を原料にして造られているのだそう。

味わいは、焼酎っぽいハイボール!

スタッフに大分出身の方がいて、「そういうストーリーのペアリングもあってもいいのではないかと思って。」と、楽しそうにスタッフの方が話してくれた。

 

No6.「苦味」

エリンギをカラッと丸ごと揚げて、そこに添えるのは、「泡」。
これが苦味。

なんとこの泡、ビールの泡!
発酵キノコバウダーのマヨネーズソースに、カラスミをプラス。

いろいろな苦味が合わさってできる「苦味」が楽しい一品。

ここにペアリングするのはもちろん、ビール。

 

No7.「カルボナーラ」

白トリュフのを効かせた、とても軽やかなカルボナーラ。
なんと上には、和歌山の名店「山利」のしらす。

嫌なチーズのこってり感は全くないのに、満足感がある。
利尻昆布からとった出汁が全てをうまく包み込んでいる、大人贅沢カルボナーラ。

ここに合わせるのは、なんと、どぶろく。
シラスを乗せたときに、美味しいシラス丼が思い浮かんで、どぶろくを合わせることにしたんだそう。

これがまた絶妙なコラボレーションで、本当によく合うから面白い。

 

8品目の前に、少しだけ、ワインのみを楽しむ時間。

ペアリングとなると、どうしてもドリンクは「料理のお供」になってしまう。
その中にいっとき、ワインだけの時間を据えることで、ドリンクが「主役」に。

こういうところに、お店のこだわりと愛と作り手への想いが滲み出ているなぁと思う。

その主役ワインは、1996年のイタリアはトスカーナの赤ワイン。
熟成なのに重くなくい。
そのまま飲んで「あぁ、美味しい」と味わえる、ワインのセレクト。

 

No8.「肉/研ぎ」

しっとり柔らかい鴨肉に、レバーペースト。
ソースは、バルサミコ酢をベースに、醤油とみりんを。

ドリンクも、お料理も、
「日本でしかやれない、日本人が美味しいと思うものを、みんで話し合って、つくっている。」というこだわりが、いろんなところに見えてくる。

さて、メニューの名前にある「研ぎ」とは!?

それは、ぜひお店に行って、ナイフの切れ味を実感してほしい。
二週間に一度、三重から職人さんをお呼びして、店のすべてを研いでもらっているそう。

ここに合わせるワインは、2011年ヴィンテージのパクナ。

2011年はものすごく猛暑だった年で、ワインづくりに苦労した農園が多いんだとか。
自然を尊重したワイナリーで作られたこのワインは、木の上で乾燥したブドウを使って作ったそう。

 

No9.「ピザ」

食事のラストを飾るのは、特注の釜で焼いてくれるピザ。
大きさと味を選べて、ハーフ&ハーフもできる。

食いしん坊の私たちは、迷うことなく、
「大きめ」で、「マリナーラ」と「4種のチーズとはちみつ」のハーフ&ハーフ。

大きめでもおかわりしたいくらい。

最後のドリンクは、お好きなものをどーぞのスタイル。

私は大好きなリースリングを。
旦那はビールと、欲張ってぐるぐる(イタリアの白ワイン)も。

 

No10.「マジョラム」

「マジョラム」とは、ハーブの名前。
マジョラムの香りを効かせたアイスを誕生日プレートにしていただいた。

透き通った甘い香り。
なんとも上品で、美しい香り。

 

No.11「ティラミス」

一口サイズのティラミスは、このお店のおきまりの締め。

ここに合わせるコーヒーはいくつか選べて、好みを伝えて豆を選んで淹れてもらえる。
至福のとき。

 

デザートを口に運びながら、「次は、いつ来ようか?」
そんな会話が自然と始まる、とっても素敵なお店。

 

 

【DATA】
店名:ドンブラボー (Don Bravo)
住所: 東京都調布市国領町3丁目6−43
電話: 042-482-7378
営業時間:11時30分~15時00分, 18時00分~23時00分
定休日:水曜日
HP:http://www.donbravo.net/
予約:https://restaurant.ikyu.com/109205/?ikgo=1