クイーンズタウンでは、どうしてもワイナリーに行きたい。
ピノ・ノワール、ピノ・グリ、リースリング…クイーンズタウン周辺のセントラル・オタゴという地域は、私の大好きな品種のワインの、名産地なのだから。
ニュージーランドの旅が決まってすぐ、ワイナリーについて色々と調べていると、ある一軒のワイナリーに目がとまった。
それが、今回訪れた『Amisfield(アミスフィールド)』。
ビストロを併設したワイナリーだ。
なんでも、ここのシェフは、スペインの三つ星レストランや、かの有名なノルウェーのNOMAで腕を磨いたシェフだという。
しかも、そのシェフの料理がワイナリー併設のビストロで、ワインのペアリングコースと共に味わえるというのだから、ワインを楽しむ場所は、もうこのワイナリービストロ以外に考えられない。
予約画面に進んで見ると、直近の日程はすべて埋まっていて、どうやらやはり人気店のよう。
全旅程を早々に決定させ、2ヶ月ほど前に予約。
ランチコースにするか、ディナーコースにするか…。
迷いに迷ったあげく、ランチよりもお料理もワインもたっぷり楽しめるディナーで訪れることに決めた。
山の麓に静かにたたずむ、ワイナリービストロ
Amisfieldがあるのは、クイーンズタウンの中心部からは車で約20分ほど。
山と調和するように、たたずんでいるその姿は、凛と、そして堂々としている。
建物の中に足を運ぶと、クールに並べられたワイン達、
シンプルで美しいインテリアに、心がうばわれる。
建物を通り抜けると、
気持ちのいい広々とした配置でテラス席が用意され、
数組が、すでにディナーを楽しみはじめている。
予約時間より少し早く到着したので、ディナーを始める前に、ワイナリー畑へ向かった。
斜面に広がるぶどう畑
レストランのすぐ横の斜面に整列する、ぶどうの木々。
今日もたっぷりと太陽を浴びたに違いない。
人生初のワイナリーと葡萄畑に、心が踊る。
さて、テラス席にもどって、ディナータイムにしよう。
8 course degustation menu and snacks
「oyster – koura」
赤いkouraたちの中に隠れる、プリプリの新鮮なエビ。
手前の一皿は、小石の置物…ではなく、そこに牡蠣のフリットが隠れていた。
「高級でオシャレな、人生で一番美味しい磯辺揚げ」と旦那は表現したが、本当にその通り。
何個でも食べさせてほしい。
「kanga pirau – short fin eel」
鰻とナッツの組み合わせ。ほのかに漂うスモークの香り。
このウナギの登場シーンは、是非このレストランで見てもらいたい。
ウナギと一緒に運ばれてきたトウモロコシの葉の中を覗き込むと、今度はたこ焼き!?
いや、口の中に広がるのは、香ばしいコーンミールの香り。
中にはチーズが潜んでいる。
「breads」
この自家製ブレッドが、これまた本当に美味しいのだが、
ここに合わせるのは、手前の岩…!?
どう見ても、教えてもらうまで岩にしか見えなかったものは、幸せのトリュフバター。
ただでさえ美味しくて止まらないパンに、魅惑のトリュフバターを纏うと、ワインまでも止まらない。
「charcuterie」
オプションで追加オーダーしたシャルキュトリー。
驚くべきは、黒いハム。なんとアワビのハム。
それぞれのハムも、フルーツとペアリング。
「zucchini, oyster plant」/ Amisfield Sauvignon Blanc 2018
まるでお花畑のような一皿。
料理が進むにつれて、芸術度が増していく。
「butterfish, tomato, kawakawa」/ Amisfield Pinot Gris 2019
「和」「蓮の池」をイメージさせる一皿は、見た目からは想像できないほど、トマトの旨味と出汁が凝縮されていて、最後の一滴も逃したくない。
「paua, alliums 」/ Amisfield Fume Blanc 2017
アワビのソテーの上にも、小さいけれど満開の白いお花畑。
聞けば、ガーリックの花だという。
「rock lobster, bull kelp」/ Amisfield Chardonnay 2018
お花畑の次は、なんとも勇ましいロックロブスターの登場。
これも追加オーダーの一品。
このロブスターはただのロブスターではなく、全身に昆布をまとい、その旨味だけでできた一皿だそう。
鎧を外して、濃厚味噌をたっぷりとかければ、繊細な旨味がたっぷりとつまった一皿に。
「quail, heritage plum」/ Amisfield Rose 2019
ウズラに、あまずっぱいプラムのソース。
勇ましいロブスターの後に、ちょっぴりマヌケな姿がなんとも言えない。
命をありがたくいただきます。
「venison, sweet potato」/ Pinot Noir 2017
最後のお肉料理として運ばれてきたのは、大きな鹿のツノ。
パイに包まれた鹿肉は、柔らかくあっさりしていて、ピノ・ノワールとよく合う。
「blue monkey, honey dew honeycomb」/ Amisfield Lowburn Terrace Riesling 2019
大きなハチの巣からはちみつを採取して、
ハチの巣の姿をあしらったチーズの上に、たっぷりと。
「pounamu」
マオリのお守りのネックレスをかたどったデザートは、なんとシャーベット。
チェーン部分も食べられるのだから、細かい楽しいアートに頭が下がります。
「kumara, ice cream」/ Amisfield Noble Sauvignon Blanc 2016
3つめのデザートは、しっとりしたパイ生地にアイスクリームを添え、キャラメルソースをたっぷりと。
これだけ食べてきたのに、さらっと食べれてしまう。
「harakeke chocorate」
最後は、ニュージーランドの守り神のモチーフのチョコレートを。
一品目の前菜から、最後のデザートに至るまで、もうすべてがアート。
見た目からは想像できない味を想像する楽しみ、
いつでも次の料理に驚きがある楽しみ、
それをワインと合わせる楽しみに、気がつけば、4時間以上のフルコースという至福の贅沢ディナー。
クイーンズタウンを訪れるなら、必ずここAmisfieldで、ニュージーランドを贅沢に味わいたい。
【Today’s Order】
7 course degustation menu and snacks / $170 per person
wine mach / $70 per person
という7コースディナーとワインペアリングに加えて、
rock lobster, bull kelp / $75 per person
charcuterie / $30 per person
の料理、以下のワインを追加オーダー
Amisfield Brut 2015 / $15 per person
Amisfield Chenin Blanc / $17 per person
Amisfield Chardonnay 2018 / $ 18per person
**
ディナーコースは2つのコースから選択でき、このほかには品数の少ない
5 course degustion menu with snacks / $150 per person
というコースも選択可能。
**
ランチコースは、
2 course à la carte lunch / $95 per person
3 course à la carte lunch / $120 per person
の2つから選択可能で、その他アラカルトも用意あり。
【Information】
Amisfield Bistro & Cellar Door
住所:10 Arrowtown-Lake Hayes Road, Frankton, Queenstown
HP:https://amisfield.co.nz/
WEB予約:https://amisfield.co.nz/bistro/reservation
TEL: +64 3-442 0556
営業時間:
–Lunch
Daily, 12pm to 2.30pm.
Last seating is 2.30pm.
–Dinner
Wednesday to Sunday
Seatings at 6.00pm, 6.30pm, 7pm, 7.30pm, 8pm & 8.30pm.
Allow 3-4 hours.